2021/10/25

就業規則の正しい運用方法〜適用条件と作成の手順〜

こんにちは、経営推進部の松本です。

今回のブログでは、企業の管理部門目線で「就業規則の正しい運用方法」についてご紹介します。

このサイトにご訪問いただくのは求職者の方が多いので、なぜ管理部門目線のブログ・・・と思われるかもしれませんが、

就業規則=職場内の労働時間や規律・ルールを定めるものなので、働く側にこそ関係が深いものです。今後も企業等で働こうとお考えでしたら知っていて損はない!と思いますのでぜひご一読ください。

数十名の規模だと、就業規則の運用が曖昧になっていることも少なくないのでは無いでしょうか。

休暇の取得などは手続きも慣習的に行われていて日常的に就業規則を見るということもあまりないのではないかと思います。

当社にも就業規則はあります。私が入社した時点ではすでに存在していたため、おそらく10名規模になった時に作成したのだろうと思いますが、今後の各営業所での人員増加も見据えて対策を講じるべく、就業規則の基本的な知識を調べたのでご紹介したいと思います。

就業規則の作成・保管・変更について、法で定められていることとそれらの決まり事を遵守した上でできる運用方法をご紹介させていただきます。

今回のブログでは当社での運用方法の一部をご紹介しますが、参考にされる方にとってご紹介する方法が正解かどうかは分かりません。また、当社も規模や状況に応じて運用方法を変更することもあります。

参考にされる際は、ぜひ専門家にご相談いただきご判断ください。

就業規則とは?

就業規則は、労働基準法89条で常時10人以上の労働者がいる使用者(雇用主)に対して作成と労働基準監督署への届出が義務付けられています。この10人は、パートや有期・無期、派遣等の契約内容は関係ありませんので、在籍している従業員数を基準にカウントします。

また、就業規則は企業単位ではなく事業場単位なので、複数の営業所(店舗・事務所 等)がある場合にはそれぞれの営業所ごとに1事業場として常時10人以上となるかを判定します。

なので、2つの営業所がありそれぞれに常時労働者が5人ずつの場合は、就業規則の作成義務は発生しないということになります。

ご紹介した義務を守らず、就業規則を作成していない・作成時また変更時に届出を行っていない場合には罰則もありますので注意が必要です。

就業規則の作成義務がある場合、就業規則に記載する項目には3つの種類があります。

それが、就業規則の種となる記載項目は絶対的必要記載事項相対的必要記載事項の2つです。この他に使用者が任意に記載できる事項もあります。

ちなみに、労基法(労働基準法)には就業規則の記載事項について下記の記載があります。(労働基準法より抜粋)

第九章 就業規則(作成及び届出の義務)

第八十九条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

三の二 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)

絶対的必要記載事項

絶対的必要記載事項は、その名の通り就業規則に必ず記載しなければならない事項です。

先ほどご紹介した労基法記載の項目のうち1~3が該当します。

勤務時間、休日休暇、賃金、退職など働く上で最低限決めておくべきこと、就業規則を作成する時点ではすでに決まっていることが多いのではないでしょうか。

相対的必要記載事項

相対的必要記載事項は、その事業場内でルールを定める場合に記載しなければならない事項です。

先ほどご紹介した労基法記載の項目のうち3-2~10が該当します。

「定めをする場合においては〜」となっているのでわかりやすいですね。

就業規則のフォーマットはあるの?

実際の就業規則を見たことがある方はわかるかもしれませんが、

絶対的必要記載事項が3つとはいえ、実際に就業規則に記載している内容はボリュームがありますし、

どういう内容でどのような順番で記載するのかもよくわかりません。

そもそも記載順(何条は〇〇に関する内容を記載する)までは決まりがないようです。

(記載順に関して調べても明確な回答がないので、おそらく法的な定めはないのではないかと思います)

では何を参考に作成するかですが、厚生労働省のサイトにモデル就業規則というものが掲載されていましたのでご紹介します。

会社独自に決めなければならない項目は下線で示されているので、会社に決めるべき項目がわかりやすいです。

色々なサイトでサンプルがダウンロードできるようですので、調べてみても良いと思います!

個人的には↓の厚生労働省のサンプルを自社版に更新するのが良いと思います。

モデル就業規則PDFはこちら(厚生労働省のサイトに移動します)

モデル就業規則Word版ダウンロードはこちら(厚生労働省のサイトに移動します)

今回は、そもそも就業規則って何?作成義務の条件や記載事項を紹介しました。

次回は、周知や変更時の手続きについて紹介します!

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