企業活動の屋台骨を支える管理部門。多岐にわたる業務の中で、「定型業務に追われて、戦略的な業務に手が回らない」と感じている担当者は多いのではないでしょうか。
本記事では、管理部門の生産性を劇的に向上させるための「自動化」に焦点を当て、その具体的な手法であるRPAとSaaSの活用法を事例とともに解説します。
この記事の目次
【RPA】【SaaS】って何?
🤖RPA(Robotic Process Automation)とは
RPAは、ソフトウェアロボットを用いて、パソコンで行う定型的な事務作業を自動化する技術です。
☁️ SaaS(Software as a Service)とは
SaaSは、クラウド上で提供されるソフトウェアをインターネット経由で利用するサービス形態のことです。
なぜ今、管理部門の「自動化」が必須なのか?
管理部門の定型業務には、以下のような特徴があります。
- 反復性が高い: 毎月、毎週、あるいは毎日繰り返されるデータ入力、チェック、集計作業が多い。
- ルールが明確: 交通費精算のチェックや備品発注など、処理手順が明確に決められている。
- ヒューマンエラーのリスク: 単純作業の繰り返しは、入力ミスや転記ミスが発生しやすい。
これらの業務を人に依存し続けることは、時間的コストとミスのリスクを抱え続けることになります。RPAやSaaSを活用した自動化は、これらの課題を一挙に解決し、総務担当者をより価値の高い「非定型業務(戦略立案、環境改善など)」にシフトさせるための鍵となります。
業務自動化の二大巨頭:RPAとSaaSの活用
総務業務の自動化において中心となるのが、RPAと各種SaaSツールです。
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用
RPAは、人がPC上で行う操作(クリック、データ入力、システム間の転記など)をソフトウェアロボットが代行・自動化する技術です。異なるシステム間の連携や、複雑なデータ処理に特に威力を発揮します。
💡 RPAで自動化できる総務業務の具体例
| 業務カテゴリ | 自動化の具体例 | 期待される効果 |
| 経費精算関連 | 交通費申請データとWeb乗換案内の最安ルートを自動照合し、不備を申請者に自動メール通知 | チェック工数75%削減、ヒューマンエラー防止 |
| 入社・異動手続き | 人事システムから情報を取得し、各種SaaS(メール、勤怠、名刺管理)のアカウントを自動発行 | 処理速度向上、初期設定の抜け漏れ防止 |
| データ集計 | 複数のExcelファイルやWebシステムからデータを抽出し、月次レポートを自動作成・関係部署へ自動送付 | レポーティング工数削減、リアルタイムでの状況把握 |
| 備品管理 | 在庫数のしきい値を監視し、下回ったら発注システムへ自動で注文依頼 | 在庫切れ防止、発注担当者の作業負担軽減 |

🔑 RPA導入成功のポイント
RPAは万能ではありません。まずは「ルールが明確で、反復回数が多く、ミスが許されない」業務からスモールスタートし、成功体験を積み重ねることが重要です。
SaaS(クラウドサービス)の活用と連携
SaaSは、サービス提供者側がインターネット経由で提供するソフトウェアです。総務分野では、特定の業務プロセス自体をデジタル化・最適化することに特化したSaaSが多く登場しています。
💡 総務部門向け主要SaaSと自動化の仕組み
| SaaSカテゴリ | 代表的な機能と自動化の仕組み | 期待される効果 |
| 労務・人事 | SmartHR、freee人事労務など | 入社時の情報収集・社会保険手続き書類の自動作成・申請。従業員情報の一元管理。 |
| 経費精算 | Concur、楽楽精算など | 従業員がスマホでレシートを撮影するだけでデータ化し、申請・承認フローをオンラインで完結。 |
| ワークフロー | サイボウズ、承認ワークフローSaaS | 各種申請(稟議、休暇、備品)を電子化し、承認ルートに従って自動で回付・通知。 |
| 契約書管理 | クラウドサイン、電子契約SaaS | 契約書の作成、電子署名、保管、期限管理をすべてオンラインで自動化。 |

🔗 SaaS間連携による自動化
SaaSの真価は、その連携機能にあります。
例えば、「労務SaaSに新入社員の情報を入力」すると、「経費精算SaaSにアカウントが自動作成」され、「チャットツールにウェルカムメッセージが自動投稿」される、といった部署をまたぐ自動化が、連携機能(APIやiPaaSなど)によって可能になります。
自動化プロジェクトを進める具体的なステップ
自動化を成功させるには、計画的なステップが必要です。
Step 1: 業務の「見える化」と「選定」
- 洗い出し: 総務部門が担当するすべての業務をリストアップし、工数(時間)、頻度、ミスの発生率を計測します。
- 選定基準: 「反復性が高く、ルール化が容易で、効果測定がしやすい」業務を優先して自動化の対象に選びます。
- NG例: 突発的な問い合わせ対応、イレギュラーな判断を要する業務
Step 2: ツール(RPA/SaaS)の選定と導入
- RPA vs. SaaS:
- 特定の業務をゼロからデジタル化・最適化したい場合 →SaaS
- 既存システムやWebをまたいだ定型的なデータ処理を自動化したい場合 → RPA
- (現在は、両者を連携させるケースが主流です)
- トライアル: 候補ツールを絞り込み、選定した業務で小規模なトライアル(試験運用)を実施し、費用対効果を検証します。
Step 3: 効果測定と横展開
- 効果測定: 自動化前後で「削減された工数」「ミスの減少率」「担当者の残業時間」などを定量的に測定します。
- ナレッジ共有: 成功事例を社内全体に共有し、他の部署(経理、人事など)への横展開を推進します。総務部門が社内の自動化推進役となることで、企業全体の生産性向上に貢献できます。
まとめ:管理部門は「戦略部門」へ進化する
RPAやSaaSを活用した自動化は、単なる作業時間の削減に留まりません。総務担当者を煩雑な定型業務から解放し、より創造的で戦略的な業務、すなわち「社員のエンゲージメント向上」「最適なオフィス環境の構築」「経営層への情報提供」といった、企業価値を高める活動に注力できるようになります。
まずは、身近な「面倒なルーティンワーク」一つから、自動化への一歩を踏み出してみませんか。
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