2026/06/01

10月義務化目前!「カスハラ対策」は6月着手がデッドライン?今すぐ作るべき規定とは?

2026年6月。今年も折り返し地点が見えてきました。総務・人事担当者の皆様、10月から施行される「改正労働施策総合推進法(カスハラ対策義務化)」への準備は進んでいますか?

「まだ4ヶ月ある」と考えるか、「あと4ヶ月しかない」と考えるか。 結論から申し上げます。現場を守り、会社のリスクを回避するためには、この6月が準備の「デッドライン」です。

今回は、ECサイト「ノウキナビ」を運営する当社現場のリアルな視点も交えながら、今すぐ着手すべき対策を解説します。

1. そもそも「カスハラ対策義務化」で何が変わるのか?

まずは制度の概要を整理しましょう。

2026年10月より、これまで努力義務だった「カスタマーハラスメント(カスハラ)対策」が、全ての企業において法的義務へと格上げされます。

改正のポイント

  • 企業の義務: 従業員をカスハラから守るための「相談窓口の設置」「被害者への事後フォロー」「再発防止策」などが必須となります。
  • カスハラの定義: 顧客等からの「著しい迷惑行為」や、妥当性を欠く要求、社会通念上不相当な手段(暴言・居座り・過度な要求)を指します。
  • 放置のリスク: 対策を怠り、従業員がメンタル不調に陥った場合、企業は「安全配慮義務違反」として損害賠償を請求されるだけでなく、行政指導や企業名の公表が行われる可能性があります。

つまり、「現場の我慢」で解決してきた時代は、2026年10月をもって強制終了するのです。

2. なぜ「6月着手」が鉄則なのか? 逆算スケジュールの現実

「10月からなら、9月にマニュアルを配ればいいのでは?」 そう考える方もいるかもしれませんが、それは非常に危険です。

義務化までの理想的なスケジュール

  • 6月(今ここ!): 現状把握と「基本方針」の策定。経営層との合意形成。
  • 7月: 就業規則の改定、具体的マニュアル(応対フロー)の作成。
  • 8月: カスタマーセンターや営業現場への周知、ロールプレイング(研修)の実施。
  • 9月: 予行演習と微調整。
  • 10月: 本格運用開始。

特に、農機具のような専門的な商品を扱うECサイト(ノウキナビ等)では、お客様からの期待値も高く、時には感情的なクレームに発展することもあります。現場のスタッフが「どこからがカスハラか」を判断できるようになるには、最低でも3ヶ月の習熟期間が必要なのです。

3. 最短で完成させる!「カスハラ対策規定」3つの必須項目

規定を作る際、抽象的な言葉ばかり並べても現場は救われません。以下の3点を明文化しましょう。

① 「カスハラ」の定義を自社に合わせて具体化

厚労省のガイドラインをベースにしつつ、カスタマーセンターであれば以下のような項目を具体例として盛り込みます。

  • 暴言・威圧的な言動: 「バカ」「死ね」等の罵倒。
  • 過剰な要求: 規約外の返金、無理な納期短縮の強要。
  • SNSへの晒し: スタッフ個人の名前をネットに書き込む等の脅し。

② 組織としての対応方針(「一人にさせない」宣言)

「不当な要求には組織として応じない」「担当者一人で解決させず、上席や専門部署に即座に引き継ぐ」という方針を明文化します。これがスタッフにとって最大の安心材料になります。

③ 被害者へのケアと法的手続き

被害を受けたスタッフのメンタルケア(産業医面談など)や、悪質な場合の警察通報・弁護士相談のルートを確定させておきます。

4. 現場が迷わない「カスハラ対応マニュアル」作成のポイント

マニュアルは「分厚い本」である必要はありません。重要なのは「切り離し(終了)の基準」です。

  • 「お断りフレーズ」のテンプレ化: 「恐れ入りますが、そのような言動を続けられるのであれば、本日の対応は終了させていただきます」 このように、現場が罪悪感なく電話を切れる(チャットを閉じる)ための定型文を公式に与えてください。
  • 証拠保存のルール徹底: 「通話録音」の告知を最初に入れる、チャットの履歴を保存する、複数人で対応する。これらをフロー化します。
  • エスカレーション経路の図解: 「暴言が3回続いたら上司へ交代」「脅迫めいた言葉が出たら即、責任者へ報告」など、判断基準を数値化・視覚化するのがコツです。

5. ノウキナビの現場に学ぶ:先行企業はどう動いているか?

私たちの運営する「ノウキナビ」でも、カスタマーセンターのスタッフが直にカスハラに直面した経験があります。その経験から言えるのは、「会社が守ってくれる」という確信が、スタッフの離職を防ぐ唯一の手段だということです。

先行して対策を行っている企業では、以下のような取り組みが始まっています。

  • 「宣言型」の広報: サイト上に「カスハラに対する方針」を明記。これにより、悪質なユーザーへの抑止力になります。
  • AIによる感情分析: 暴言を検知すると自動的に上席へ通知が飛ぶシステムの導入。
  • 「初期対応」の分担: 一人で耐える時間を「最大5分」と決め、それ以上は自動的に交代する運用。

6. まとめ:6月中に「骨子」を作り、夏に「浸透」させる

10月の義務化は、決して「企業を縛るためのもの」ではありません。むしろ、理不尽な要求から大切な従業員を守り、健全な顧客体験を維持するための「武器」です。

まずはこの6月中に、経営層と「我が社はカスハラを許さない」という合意形成を行い、規定の骨子を作りましょう。夏に現場への教育を済ませておけば、10月を平穏に迎えることができます。

「あの時始めておいてよかった」

そう思える秋を迎えるために。今すぐ、最初の一歩を踏み出しましょう。

【編集後記】 ECサイト運営において、お客様との接点は宝です。しかし、その接点がスタッフの心を削る場所になってはいけません。今回の法改正を機に、よりクリーンで、より働きやすい現場環境を整えていきましょう!

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コア・イノベーションでは、私たちと一緒に成長していける新しい仲間を常に求めています。当社は、従業員一人ひとりが持つ能力を最大限に発揮できるよう、サポート体制を整えています。

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